ホーム >  ニュース・資料 >  とっくトーク ~つくば国際特区情報室~ >  未来を変えるロボットスーツHAL®前編

未来を変えるロボットスーツHAL®前編

筑波大学教授・サイバーダイン株式会社 代表取締役社長 CEO 山海嘉之さん

(2013年11月4日にラヂオつくばで放送した内容をもとにした記事です)

インタビューを音声で聞く

Audio clip: Adobe Flash Player (version 9 or above) is required to play this audio clip. Download the latest version here. You also need to have JavaScript enabled in your browser.


QHAL®は国内外で非常に注目を集めていますね。このHAL®が国際安全規格であるISO13482を取得したということはどんな意義があるんでしょうか?

山海先生

この国際規格というのは、ロボット先進国の日本の技術が世界で認知され使われるために非常に重要です。こういう国際規格の中で、人に関わるもののとして取得しておくべきものとしてはISO13482、それから医療分野ではISO13485があります。
どちらを取得するかの戦略が重要ですね。現時点ではISO13485というものはかなり重要で医療機器ですからそこまで高くしなくでもいいだとうと思うぐらい非常にハードルが高いんです。その点ISO13482というのは生活支援、パーソナルケアということでそこにフォーカスしたロボット群に対しての規格になっていますから、ある程度ハードルを下げた状態で尚且つ世界が認知してくれるような規格になっています。

Q安全認証を取得したことでどんな効果が期待されますか?

山海先生

国際規格ISO13482やISO13485というのはその規格を持っていなければ日本からヨーロッパに輸出すらできないです。病院や施設、個人で使うこともできません。ヨーロッパですとCEマーキングという規格があります。

*CEマーキング-基本的に欧州連合(EU)地域に販売される指定の製品に貼付を義務付けられる基準適合マークのことです。「EU(EC)指令」の必須安全要求事項に適合したことを示しています。CEマークキング表示のある製品は、EU域内の自由な販売・流通が保証されます。

QISO13482、ISO13485などを取得したことによって、非常に高い安全性が審査されたということになると思いますが、開発や試験の段階でどういったことを行ったのでしょうか?

山海先生

HALの場合には、一番の開拓状態でしたから、ISO13482というもの自体も作られていないわけです。そうすると、ISO13485の中でも医療機器全般が持っているすべてのものをクリアしないと通過できないんです。
小型化に向けて頑張って開発しているのにも関わらず、規格を取得するためにいろいろなものがのっかってきて非常にかさばってきました。様々な技術の部分の規格を通すために必要なものもそうですし、安全技術に対しても多重化ということで、ちょっとオーバースペックにはなるかもしれませんが、HALには搭載しなければいけなかった。それでも、それをやり抜くことによっていろんな機能が付加され、その過程でかなりの小型化技術が進みました。ロボットそのものの高水準化というところでは、こういう状況の中でむしろそこを超えていこうという思いでやり抜いた感はあります。

Qこういった安全認証の観点から、国際的にはどのように注目されていますか?

山海先生

社会が“より安全な技術の社会実装”というところに目が向いていますが、やりすぎると黎明期の技術が社会に入っていかないことになるのでバランスが重要です。必要なのは技術がうまく社会実装できるような“モデル”を作っていくことです。
ISO13482がまとまってくるプロセスの中で、世界中でいろんな議論ができます。それによって、関係当局の方にも、基準の認識が横展開できているという風に考えます。そうすると、これまでこれぐらいの水準が必要だったというところから、実際にはこれぐらいでもいいかもしれないね、とか、やっぱりこれはここまで足しておこう、とか。いろんな水準の必要値や最適値の調整ができてくるので、新しいテクノロジーが社会の中に入るための共通認識がしっかりとしてきているのではないでしょうか。
これによって、海外では日本の施設を見学して、自分たちもどういう安全技術の試験方法を取るべきか学ぶことが実際に起きています。これは、“許認可”という面で先進国ではない日本にとって重要です。日本が“許認可”の分野でも頑張ることによって、世界と一緒にこれを作っていくという立場になれるので、ヨーロッパ領域、米国の領域、そしてアジアの領域もありますがそこはちゃんと日本が牽引できるような立場なる。そして世界と連携して、社会にとって必要な技術をしっかりと世界中に展開して、多くの人に貢献できるような状況にしていけるのではないでしょうか。


ページの先頭へ