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つくばからつなげる、ひろがる 世界的ナノテク拠点TIA-nano 前編

つくばイノベーションアリーナ ナノテクノロジー拠点 
事務局長 岩田 普さん

(2014年1月27日にラヂオつくばで放送した内容をもとにした記事です)

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Qつくば市の産業技術総合研究所の中にあるTIA連携棟はどういった施設ですか?

岩田さん

この建物は昨年4月に完成しました。大きなホール、大学の方や学生さんも一緒に研究していただく場所、クリーンルームや一般の実験室などが一体となった施設です。
隣の建物がスーパークリーンルーで、大型の最先端の半導体の加工専門施設です。

Q製品を造る場から議論する場まで一つの場所に揃っているということですね?
いろいろな方々がお集まりになるということですが、このTIA-nanoは、産業技術総合研究所、物質・材料研究機構、筑波大学、そして高エネルギー加速器研究機構の4つの中核機関が運営する組織と伺っています。

岩田さん

はい。研究機関はその4つですが、産業界からは経団連が支援をしてくれるという構成でやっています。
つくばの中にある研究所同士が手を結ぶ、そしてさらに産業界の支援をしていくと、そういう形を作りました。

QそしてTIAにはロゴがありますね。TIA-nanoのロゴ。緑の大きな傘のようなドーム状の屋根のような形。そしてその下にTIA-nanoという文字が入っています。これは「Under One Roof」“一つ屋根の下に”
というコンセプトの元、結集・融合していこうという理念に基づいて作られたと伺いました。

岩田さん

そうですね。つくばの中にいろんな研究機関があるわりには研究機関同士の連携が薄いというご意見があります。つくばをもっと良くしていく、またつくばが日本の中で貢献していくという意味で、中にいるものがもっと手を結ばなければいけない。そのような議論がそれぞれの機関で行われていました。それを具体的に、一緒に進めていこうということでこのように傘を一緒にして、その傘を一緒を皆さんで支えていこう、と。ただ、つくばだけでは意味がないので、その傘が日本のいろんな方に利用してもらう傘になっていく、そういう意味でこのようなロゴマークを作りました。

Qつくばだけではなく全国に目を向けているということですね?

岩田さん

つくばにある研究機関はそれぞれそれなりの研究実績・成果をあげてきましたが、技術を進めていく上で一つの機関だけでは良いものができないと気づきました。期間同士の融合や研究と人材育成の融合の両方が求められるようになってきた。そういう社会の要請がありますので、それに合わせて我々も進んでいこう、自分たちを変えていこうということで立ち上げたものです。
初めは正直お互いを信頼できません、競争相手にもなりかねない。ただ、実際一緒に進めてみるとだんだんお互いが信用できるようになって、お互いの機能や良いとこも分かるようになってきました。そして安心して一緒に取り組めるようになりました。

Qやはり顔の見える関係というのは大切なんですね?

岩田さん

隣に建物があっても、全く普段顔を合わせないというのはすごく不安ですね。そのような状態がずっと続いていました。それがようやく扉を開けてお互いの顔を見えるようになったというこことです。実際にバスなども行き来するようにしました。そうすると嫌でも他の機関の構内に入っていく。だんだん顔なじみになって、安心してきたんです。そういう意味では、つくばには町内会がなかったんです。それが研究者同士の町内会ができていたということですね。

Q実際TIA-nanoということで多くの機関が参画しているかと思いますが、どういった取り組みが行われていますか?

岩田さん

ここでは今国の研究プロジェクトを中心に進めていますが、累積で26のプロジェクトが進んでいます。この中にはすでに130社以上の企業が参加していますし、企業の研究者として800名以上の方が参加していただいています。その半分近く以上の人がつくばに常駐してこちらに住んで研究に従事していただいています。

Qなぜ今企業との連携というものに力が入れられているのでしょうか?

岩田さん

20年ほど前は企業は中央研究所を持っていて、各企業で技術を磨いていました。連携する必要もなかったし、各企業は十分な研究リソースや、人員もお金もあったので独自にやっていました。しかし、技術が非常に難しくなってきたということと、日本の企業の研究体力が落ちてきてしまった。そのために、日本全体として国の機関と企業とで一緒に研究を進めないといけないという環境になってきた。その中で、つくばというのはずっと研究のポテンシャルがあったので、ここを使って一緒にやっていこう、ということになりました。

Qつくばには本当にたくさんの研究機関、知の集積がありますから、企業の方にとってはこれを活かさない手はないですね?

岩田さん

ぜひ利用してほしいと思いますね。

Q逆に研究機関の立場からすると、企業と連携することによって得られるようになったメリットというのはどような点がありますか?

岩田さん

国の研究者ですと、自分の研究が形に見えるところまでで終わるんです。〝実証実験”といって、〝役に立つ″とわかるとこまでです。実際に市場に出すためには、安全性や信頼性を確かめたり、量産できるか判断したりする項目があるんですが、そこまで見ることはできなかった。それが企業と一緒にやるようになって、技術的な違い、自分の技術がどのように市場に出ていくのか、また役立っていくのか、そういうものまで見えていくようになります。技術が役にたっていくまで一緒にやれるようになったということが大きいですね。

Qお互いの得意分野を共有しながら、最終的には技術が製品として世の中に役立てられていくところにより近くなっていくイメージがありますね。

岩田さん

一緒にやるというのは始めは非常に戸惑いがあったんですね。研究者はやはり研究をやっていきたい。企業は一日でも早く製品化したいということで、お互いにぶつかることも多々あったわけですけど、相手の良さ、お互いの良さを知ると、苦労してでも連携してやっていく。それによって大きな成果に結びつくということが分かってきたので、お互いを信用して一緒に進めるようになった。そして、大きな成果にも繋がるようになった。そのような好循環が生まれつつあるというところです。


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